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「社会教育としてのESD」研究の
成果と課題
荻野亮吾(東京大学 高齢社会総合研究機構)
2016/09/18(日)13:00?15:30
弘前大学 総合教育棟 305教室
2016年度 日本社会教育学会 第63回研究大会
ラウンドテーブル⑥ 「SDGs(持続可能な開発目標)と社会教育」
報告の目的
? SDGs(Sustainable Development Goals、持続可能な開
発目標)は、ミレニアム開発目標(Millennium
Development Goals:MDGs)と、持続可能な開発に関わ
る目標の2つの柱で構成されており、SDGsのための開発教
育実践を行うためには、ESDの路線を踏襲して発展させて
いくことが求められる、とされる(田中 2016: 15)。
? SDGsの特徴:①「貧困の解消」と「環境の保全」という「2
本柱の統合」、②先進国も対象とした「普遍主義」、③「格
差」の重視、④MDGsに加えた新たな課題、⑤「実施手段」を
明記(三宅 2016)。
?本報告では、「SDGsと社会教育」研究を考えるにあた
り、「ESDと社会教育」プロジェクト研究の成果と課
題の整理を行うことにしたい。
プロジェクト研究の概要
? 学会のプロジェクト研究 「社会教育としてのESD」は、2010年?2013
年にかけて、計22回の研究会を開催し、6月集会?研究大会において計6
回の報告を行った。
? プロジェクト研究の内容(詳細は、笹川他 2015を参照)
? (1年目)社会教育?環境教育?開発教育など、様々な学問領域の中
で、ESDがどのように位置づけられてきたかを俯瞰し、異なるディ
シプリンのもとに「社会教育としてのESD」を考えるための土台づ
くりを行った。
? (2年目)ESDに関わる社会的アクターに焦点を当て、NGO、大学、
地域での活動を取り上げ、ESDに関わる「知識」創造とファシリ
テーションのテーマについて考察を深めた。
? (3年目)ESDの指導者やコーディネーター?ファシリテーターの役
割や養成について議論した。この中で、「持続可能な開発」を問い
続けていくような地域における「関係性」の形成という点に、社会
教育としてのESDの1つの展望を見出すに至った。
? (4年目)プロジェクトの若手研究メンバーを中心に、研究成果を共
有するラウンドテーブルを開催した。年報『社会教育としての
ESD:持続可能な地域をつくる』を編集?発行した。
プロジェクト研究開始前の課題
? 『グローバリゼーションと社会教育?生涯学習』における議論(日本社会教育学会編
2005):グローバリゼーションの進展や、ESDに関する政策動向を受け、DESD(国連
持続可能な開発のための10年)を迎えた時点での、ESDと社会教育を巡る研究の視点を
示す論稿。
? 教育論としてのESDの意味:①民主的な教育としてのESD(価値観や原則の一方的伝
達ではなく、地域の実践の中での理念の共有)、②持続可能な開発のジレンマや対立
を乗り越えていく「過程」に、ESDが位置づけられる(小栗 2005: 178)。「地域で
暮らすことと学習を結びつける」ところにESDの意義と可能性が存在する(小栗
2005: 182)。
? DESDを展望した際の課題:①社会教育とESDとの関連性の理解(領域論なのか、地
域社会の実践論なのか、既存の社会教育の行政的枠組みを前提とするか否か)、②
「持続可能な地域づくり」のための学習拠点と人材育成の問題、③「社会的公正」
(人-人)だけでなく、「生態学的持続可能性」(人-自然)も射程に含めること(降
旗 2005: 196-197)。
? 開発教育、環境教育、社会教育とESDに関する視点:①参加型開発の有用性と評価、
②地域づくりや社会変革の視点、③ESDを共通の土俵にした南北の対話の可能性(田
中 2005)。
? 関連して、朝岡(2005)は、グローバリゼーションに対抗する運動と主体をESDに
見出し、地域づくり教育の可能性に注目を喚起している。そして「公正なグローバリ
ゼーション」と「学習主体?学習過程」(アンラーンやローカルな知)に関する研究
が必要であると述べていた。
プロジェクト研究?年報の成果 ①
? ESDをめぐる様々な「社会的アクター」の活動の共有
? 「自然学校」の役割:1980年代?「自然体験活動」、2000年代?
「地域再生の拠点」、2011年?「ESDの拠点」としての役割への変
化(川嶋 2013)。
? NGOの役割:佐々木(2013;2015)は、『湿地の文化と技術33
選』の作成や、学習交流会を開催する中で、ESD推進に関わるNGO
の役割について言及している。
? 高等教育機関の活動:各大学でセンターの設置や、カリキュラム改
革、指導者養成等が行われている。プロジェクトでは、「現場体
験」を中核に据えた東京農工大学のFOLENSプログラムや(二ノ宮
2014;2015)、北海道教育大釧路校の「地域教育開発専攻」や
ESD推進センターの設置(生方 2010)を取り上げた。
? 社会的企業の活動:大高(2015)は、持続可能な社会の形成に向け
た社会的企業の活動と、参加者の学習について整理を行っている。
? 高等教育機関とNPOとの連携(鈴木尚子 2015)
? 【成果】 社会教育行政以外の、大学、NPO?NGO、社会的企業等の
ESDに関わる「社会的アクター」が、持続可能な社会に関わる学習の契
機をどのように作り出しているのか、知識や社会的価値をどのように創
造?普及しているのかが共有された。
プロジェクト研究?年報の成果 ②
? ESDを推進するファシリテーターの活動と養成
? 田中(2013;2015)は、日本とタイにおけるファシリテーターの養
成を通じて、①住民参加型の開発を進めることの重要性、②「ローカ
ルな知」の掘り起こしと、住民の知識と意欲の向上、③外部者として
のファシリテーターの役割等の重要性を指摘し、日本とタイの学習活
動の交流が効果的に促進された要因を分析している。
? 上條(2012)や湯本(2014)は、開発教育の手法の変化を分析し、
開発教育におけるファシリテーターの役割を、「学習ファシリテー
ター」と「地域ファシリテーター」に分類し、両者を兼ね備えた「開
発教育ファシリテーター」の役割を提起した。
? 笹井?佐藤(2015)は、地域づくりの担い手養成の取り組みとして、
資格?認証を行う高等教育機関(滋賀大学、松本大学、法政大学、山
形大学)の活動を紹介している。
? 高雄(2014;2015)は、持続可能な地域発展のための学社協働の担
い手として、ドイツのESDマルチプリケーターの取り組みを紹介して
いる。
? 【成果】 持続可能な地域づくりを進めるファシリテーターの役割と、担
い手に求められる資質?能力、養成プログラムの整理が行われたこと。
? 【課題】 社会教育関係職員の力量形成や、対人支援職の活動との接点も
考えられる必要がある(日本社会教育学会編 2015;高橋?槇石編
2015)。
プロジェクト研究?年報の成果 ③
? 地域におけるESDの活動の展開
? 内田(2015)は、2014年に岡山市で開催された「ESD推進のため
の公民館-CLC会議」の成果をまとめ、岡山市のESD推進に与えた影
響について考察している。
? 秦(2015)は、大学?企業?NPO?団体?研究機関が協働する「環
境機関コンソーシアム」の取り組みによる受講者の学びを分析して
いる。
? 中川(2015)は、大学?NPOが協働し、園児に向けた教育プログラ
ムの成果や、リーダー育成プログラムの内容を紹介している。
? 金(2015)は、韓国ソウル市の「エネルギー自立」に関する運動の
展開過程と、そこで育まれた4つの能力(つくる力量、つなぐ力量、
不便さを甘受する力量、反応力と敏感力)を明らかにしている。
? 【成果】これらの議論は、ESDにおける「マルチステークホルダー?ア
プローチ」(阿部2013:43)(あらゆるステークホルダーがサスティ
ナビリティのために社会的責任をもち、マルチステークホルダー間のコ
ミュニケーションがベースとなる)を深めるもの。
? 【課題】 同時に、湯本(2015)が指摘するように、各地域で多様なア
クターが連携?協働していく中での葛藤や対立、それを乗り越えた合意
の過程を考えていくことも重要となる。
プロジェクト研究?年報の成果 ④
? ESDに関わる「学習」論の深化
? 降旗(2012)は、原子(2010)の議論を援用し、ESD研究について、ESD
を持続可能な未来を創造する手段と捉える立場(道具的メンタリティ)と、
環境教育の担い手たちが理解を共有していく過程が重要であるとする立場
(反省的メンタリティ)が存在すると指摘する。
? 朝岡(2015)は、「学ぶ」ことを形式知で理解するのではなく、形式知と
暗黙知を往還する「口伝的世界」を意識することや、「学び返し」「教え返
す」学習の重要性を述べている。
? 酒井(2015)は、スピヴァクのunlearn概念を読み解き、unlearnにより
「ESD実践者が、不可視化されたサバルタン?他者を強く喚起することを可
能」にし、「参加プロセスの閉鎖性を自己(ESD実践者)との関係から捉え
るよう促すため、常に自己省察する環境を醸成」することを指摘している。
? 安藤(2012;2013)の社会教育と環境教育の関係に関する考察を行い、
様々な「環境教育の主体」による、人間と環境とのかかわりの形成への介入
が、教育であるという論点を提示している。
? 小栗(2015)は環境教育史や環境哲学の議論をもとに、「生の三契機」を
実現させる「場/空間」としての「環境」に焦点を当てる必要性を指摘する。
? 牧野(2015)は、「学び」を通した、地域コミュニティの生成?持続論へ
の展開の必要性を指摘している。
? 【成果】これらの議論は、「ローカルな知」を中心になされてきた議論(小栗
2011や、朝岡?酒井 2012)の延長上に位置付けられ、現在の環境、社会の有
り様や関係性を批判的に問い直す学習の重要性を明らかにするもの。
プロジェクト研究?年報の成果⑤
? プロジェクトを経た「社会教育研究」の問い直し
? 末本(2015)は、従来の社会教育研究の在り方を見直し、①「複雑
性」を前提としたESDの取り組みは、「経験」を軸にした教育論と接点
を有すること、②様々なステークホルダーの存在を前提にした施設論や
職員論への展開の重要性、③ESDの様々な実践を総合的に理解する社会
教育実践分析の必要性、といった論点を提示している。
? 鈴木(2013;2015)の「持続可能で包容的な地域づくり教育
(Education for Sustainable and Inclusive Communities, ESIC)」
の展望
? 鈴木(2013: 177)は、ESDに関する研究をレビューし、教育学的観点から
5つの課題を指摘している。(1)「学習者の視点」に立ったESDの理解、
(2)ESDで育まれるべき「力」を総合的に捉えること、(3)現代社会シ
ステムの構造を踏まえて、環境、経済、社会、政治に関わる学習の諸領域と
展開構造を把握すること、(4)学習者の自己教育過程の論理を明らかにす
ること、(5)こうした学びを援助?組織化する教育実践の位置づけと性格
を明らかにすること。
? 鈴木(2013: 210)は、ESDを「地域づくり教育」(地域再生教育+地域創
造教育)という観点から捉え返すことが必要であり、グローバリゼージョン
が進む中で、「地域創造教育」を発展させ、地球環境問題と貧困?社会的排
除問題を同時に解決することに取り組むESICが求められるという。
? 【成果】ESDに関する全体の議論を踏まえた上で、社会教育研究のアプ
ローチや構造の見直しが図られた点。
研究の到達点
? 笹川(2015)は、年報の貢献した点として、①生涯学習?教育論の実
態を明らかにしたこと、②学習?教育空間の連携?再構成の姿を描いた
こと、③教育プログラムにおいて身体性の回復を重視していること、④
知識創造の場と主体の議論につながること、⑤現場における知の生産を
深めていることを挙げている。
? 環境教育、開発教育、社会教育の研究者?実践者の協働によって、それ
ぞれの研究領域の特徴が浮き彫りになるとともに、社会教育研究として
深めるべき論点が明確になったこと。
? 3つの「持続可能性」(笹川 2015)の議論が共通認識となったこ
と:自然環境の持続性、社会の持続性、人間とその学習の持続性。
? 環境教育や開発教育におけるファシリテーターやプログラムの議論
が共有されるとともに、従来、社会教育研究の射程に収まりきらな
かった様々な社会的アクターの活動に改めて焦点が当てられること
で、「持続可能な地域」という共通項のもと、社会的アクターの役
割や、支援者の専門性や養成に関する議論が喚起されたこと。
? ESDの推進の前提とされてきた、「環境」「社会」「学習」といっ
た諸概念に対する振り返りがなされ、「持続可能性」に関する教育
学の基盤が形成されたこと。
課題:ESDの「学習」論の展開
? ESDに関する「学習」論を、実践とつなげ深めていく研究方法
? 「経験」的学習の分析の深化:成人学習論においては、学習者の
「経験」を軸にした学習論の展開が主要な論点となりつつあるが
(山内?山田編 2016等)、インフォーマルな学習を軸にした教育
や実践の分析が十分に行われているわけではない。
? 学習の「成果」の構造化も重要
? コンピテンシーや能力を、脱文脈的に捉えるのではなく、ESDに
関する教育や実践の構造の中から組み立てていくアプローチ。
? 特に政治的な次元が重要となる(湯本 2015 参照)。
? 例えば、Hill(2012)は「環境リテラシー」を、リテラシーや
ニューメラシーに並ぶ要素と位置付けつつ、生態学的リテラシー
と環境的市民性の双方を同時に含みこむ概念として定義し、「実
践主義」を中核的な要素として位置付けている。
? アクターの結びつきとその中での学習の深化を追うアプローチ
? ESDを支える様々な社会的アクターの活動は、他のアクターの活動
と結びつくことによって、さらなる展開を見せる。
? この時に、アクターの活動の展開過程と、参加者の意識?行動?関
係の変容を並行して捉えていく視点が重要になる。
課題:「持続可能な地域」とは?
? 「持続可能な地域」を考える際に「社会関係資本」の議論が参考になる。
? 近年、再生可能エネルギーの領域で、「社会関係資本」の議論が注
目され、社会教育との接点が問われ始めている。
? 諸富(2003: 57-58)は、市場と社会的共通資本(社会資本と自然
資本)の基盤に制度(市場や社会的共通資本の運営ルール)を位置
づけ、この制度の運営に社会関係資本が与える影響を重視している。
そして「「持続可能な発展」を追求するための政策や制度がうまく
機能するか否かは、…新しい社会関係資本が十分な厚みを持って
我々の社会に存在しているか否かにかかっている」と述べる(諸富
2003: 105)。
? これは、社会関係資本を「集合財」として捉える視点。
? 同じく、八木(2015)は再生可能エネルギー関係のガバナンス研究
の中で、社会的アクターの活動の中で形成される地域の社会関係資
本に注目し、飯田市の公民館(分館)の活動の分析を行っている。
? 社会関係資本の考え方を援用し、社会教育が「持続可能な地域」づくり
に果たす役割を明確にすることもできるのでは(荻野 2016 等)。
? 「持続可能な地域」づくりを進めるにあたり、ESDに関わる様々な社会
的アクターの関係をどうつくるか、社会教育?高等教育機関の役割は何
か、ファシリテーターの力量をどう育てるのか、等が論点となる。
参考文献(1)
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参考文献(3)
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  • 1. 「社会教育としてのESD」研究の 成果と課題 荻野亮吾(東京大学 高齢社会総合研究機構) 2016/09/18(日)13:00?15:30 弘前大学 総合教育棟 305教室 2016年度 日本社会教育学会 第63回研究大会 ラウンドテーブル⑥ 「SDGs(持続可能な開発目標)と社会教育」
  • 2. 報告の目的 ? SDGs(Sustainable Development Goals、持続可能な開 発目標)は、ミレニアム開発目標(Millennium Development Goals:MDGs)と、持続可能な開発に関わ る目標の2つの柱で構成されており、SDGsのための開発教 育実践を行うためには、ESDの路線を踏襲して発展させて いくことが求められる、とされる(田中 2016: 15)。 ? SDGsの特徴:①「貧困の解消」と「環境の保全」という「2 本柱の統合」、②先進国も対象とした「普遍主義」、③「格 差」の重視、④MDGsに加えた新たな課題、⑤「実施手段」を 明記(三宅 2016)。 ?本報告では、「SDGsと社会教育」研究を考えるにあた り、「ESDと社会教育」プロジェクト研究の成果と課 題の整理を行うことにしたい。
  • 3. プロジェクト研究の概要 ? 学会のプロジェクト研究 「社会教育としてのESD」は、2010年?2013 年にかけて、計22回の研究会を開催し、6月集会?研究大会において計6 回の報告を行った。 ? プロジェクト研究の内容(詳細は、笹川他 2015を参照) ? (1年目)社会教育?環境教育?開発教育など、様々な学問領域の中 で、ESDがどのように位置づけられてきたかを俯瞰し、異なるディ シプリンのもとに「社会教育としてのESD」を考えるための土台づ くりを行った。 ? (2年目)ESDに関わる社会的アクターに焦点を当て、NGO、大学、 地域での活動を取り上げ、ESDに関わる「知識」創造とファシリ テーションのテーマについて考察を深めた。 ? (3年目)ESDの指導者やコーディネーター?ファシリテーターの役 割や養成について議論した。この中で、「持続可能な開発」を問い 続けていくような地域における「関係性」の形成という点に、社会 教育としてのESDの1つの展望を見出すに至った。 ? (4年目)プロジェクトの若手研究メンバーを中心に、研究成果を共 有するラウンドテーブルを開催した。年報『社会教育としての ESD:持続可能な地域をつくる』を編集?発行した。
  • 4. プロジェクト研究開始前の課題 ? 『グローバリゼーションと社会教育?生涯学習』における議論(日本社会教育学会編 2005):グローバリゼーションの進展や、ESDに関する政策動向を受け、DESD(国連 持続可能な開発のための10年)を迎えた時点での、ESDと社会教育を巡る研究の視点を 示す論稿。 ? 教育論としてのESDの意味:①民主的な教育としてのESD(価値観や原則の一方的伝 達ではなく、地域の実践の中での理念の共有)、②持続可能な開発のジレンマや対立 を乗り越えていく「過程」に、ESDが位置づけられる(小栗 2005: 178)。「地域で 暮らすことと学習を結びつける」ところにESDの意義と可能性が存在する(小栗 2005: 182)。 ? DESDを展望した際の課題:①社会教育とESDとの関連性の理解(領域論なのか、地 域社会の実践論なのか、既存の社会教育の行政的枠組みを前提とするか否か)、② 「持続可能な地域づくり」のための学習拠点と人材育成の問題、③「社会的公正」 (人-人)だけでなく、「生態学的持続可能性」(人-自然)も射程に含めること(降 旗 2005: 196-197)。 ? 開発教育、環境教育、社会教育とESDに関する視点:①参加型開発の有用性と評価、 ②地域づくりや社会変革の視点、③ESDを共通の土俵にした南北の対話の可能性(田 中 2005)。 ? 関連して、朝岡(2005)は、グローバリゼーションに対抗する運動と主体をESDに 見出し、地域づくり教育の可能性に注目を喚起している。そして「公正なグローバリ ゼーション」と「学習主体?学習過程」(アンラーンやローカルな知)に関する研究 が必要であると述べていた。
  • 5. プロジェクト研究?年報の成果 ① ? ESDをめぐる様々な「社会的アクター」の活動の共有 ? 「自然学校」の役割:1980年代?「自然体験活動」、2000年代? 「地域再生の拠点」、2011年?「ESDの拠点」としての役割への変 化(川嶋 2013)。 ? NGOの役割:佐々木(2013;2015)は、『湿地の文化と技術33 選』の作成や、学習交流会を開催する中で、ESD推進に関わるNGO の役割について言及している。 ? 高等教育機関の活動:各大学でセンターの設置や、カリキュラム改 革、指導者養成等が行われている。プロジェクトでは、「現場体 験」を中核に据えた東京農工大学のFOLENSプログラムや(二ノ宮 2014;2015)、北海道教育大釧路校の「地域教育開発専攻」や ESD推進センターの設置(生方 2010)を取り上げた。 ? 社会的企業の活動:大高(2015)は、持続可能な社会の形成に向け た社会的企業の活動と、参加者の学習について整理を行っている。 ? 高等教育機関とNPOとの連携(鈴木尚子 2015) ? 【成果】 社会教育行政以外の、大学、NPO?NGO、社会的企業等の ESDに関わる「社会的アクター」が、持続可能な社会に関わる学習の契 機をどのように作り出しているのか、知識や社会的価値をどのように創 造?普及しているのかが共有された。
  • 6. プロジェクト研究?年報の成果 ② ? ESDを推進するファシリテーターの活動と養成 ? 田中(2013;2015)は、日本とタイにおけるファシリテーターの養 成を通じて、①住民参加型の開発を進めることの重要性、②「ローカ ルな知」の掘り起こしと、住民の知識と意欲の向上、③外部者として のファシリテーターの役割等の重要性を指摘し、日本とタイの学習活 動の交流が効果的に促進された要因を分析している。 ? 上條(2012)や湯本(2014)は、開発教育の手法の変化を分析し、 開発教育におけるファシリテーターの役割を、「学習ファシリテー ター」と「地域ファシリテーター」に分類し、両者を兼ね備えた「開 発教育ファシリテーター」の役割を提起した。 ? 笹井?佐藤(2015)は、地域づくりの担い手養成の取り組みとして、 資格?認証を行う高等教育機関(滋賀大学、松本大学、法政大学、山 形大学)の活動を紹介している。 ? 高雄(2014;2015)は、持続可能な地域発展のための学社協働の担 い手として、ドイツのESDマルチプリケーターの取り組みを紹介して いる。 ? 【成果】 持続可能な地域づくりを進めるファシリテーターの役割と、担 い手に求められる資質?能力、養成プログラムの整理が行われたこと。 ? 【課題】 社会教育関係職員の力量形成や、対人支援職の活動との接点も 考えられる必要がある(日本社会教育学会編 2015;高橋?槇石編 2015)。
  • 7. プロジェクト研究?年報の成果 ③ ? 地域におけるESDの活動の展開 ? 内田(2015)は、2014年に岡山市で開催された「ESD推進のため の公民館-CLC会議」の成果をまとめ、岡山市のESD推進に与えた影 響について考察している。 ? 秦(2015)は、大学?企業?NPO?団体?研究機関が協働する「環 境機関コンソーシアム」の取り組みによる受講者の学びを分析して いる。 ? 中川(2015)は、大学?NPOが協働し、園児に向けた教育プログラ ムの成果や、リーダー育成プログラムの内容を紹介している。 ? 金(2015)は、韓国ソウル市の「エネルギー自立」に関する運動の 展開過程と、そこで育まれた4つの能力(つくる力量、つなぐ力量、 不便さを甘受する力量、反応力と敏感力)を明らかにしている。 ? 【成果】これらの議論は、ESDにおける「マルチステークホルダー?ア プローチ」(阿部2013:43)(あらゆるステークホルダーがサスティ ナビリティのために社会的責任をもち、マルチステークホルダー間のコ ミュニケーションがベースとなる)を深めるもの。 ? 【課題】 同時に、湯本(2015)が指摘するように、各地域で多様なア クターが連携?協働していく中での葛藤や対立、それを乗り越えた合意 の過程を考えていくことも重要となる。
  • 8. プロジェクト研究?年報の成果 ④ ? ESDに関わる「学習」論の深化 ? 降旗(2012)は、原子(2010)の議論を援用し、ESD研究について、ESD を持続可能な未来を創造する手段と捉える立場(道具的メンタリティ)と、 環境教育の担い手たちが理解を共有していく過程が重要であるとする立場 (反省的メンタリティ)が存在すると指摘する。 ? 朝岡(2015)は、「学ぶ」ことを形式知で理解するのではなく、形式知と 暗黙知を往還する「口伝的世界」を意識することや、「学び返し」「教え返 す」学習の重要性を述べている。 ? 酒井(2015)は、スピヴァクのunlearn概念を読み解き、unlearnにより 「ESD実践者が、不可視化されたサバルタン?他者を強く喚起することを可 能」にし、「参加プロセスの閉鎖性を自己(ESD実践者)との関係から捉え るよう促すため、常に自己省察する環境を醸成」することを指摘している。 ? 安藤(2012;2013)の社会教育と環境教育の関係に関する考察を行い、 様々な「環境教育の主体」による、人間と環境とのかかわりの形成への介入 が、教育であるという論点を提示している。 ? 小栗(2015)は環境教育史や環境哲学の議論をもとに、「生の三契機」を 実現させる「場/空間」としての「環境」に焦点を当てる必要性を指摘する。 ? 牧野(2015)は、「学び」を通した、地域コミュニティの生成?持続論へ の展開の必要性を指摘している。 ? 【成果】これらの議論は、「ローカルな知」を中心になされてきた議論(小栗 2011や、朝岡?酒井 2012)の延長上に位置付けられ、現在の環境、社会の有 り様や関係性を批判的に問い直す学習の重要性を明らかにするもの。
  • 9. プロジェクト研究?年報の成果⑤ ? プロジェクトを経た「社会教育研究」の問い直し ? 末本(2015)は、従来の社会教育研究の在り方を見直し、①「複雑 性」を前提としたESDの取り組みは、「経験」を軸にした教育論と接点 を有すること、②様々なステークホルダーの存在を前提にした施設論や 職員論への展開の重要性、③ESDの様々な実践を総合的に理解する社会 教育実践分析の必要性、といった論点を提示している。 ? 鈴木(2013;2015)の「持続可能で包容的な地域づくり教育 (Education for Sustainable and Inclusive Communities, ESIC)」 の展望 ? 鈴木(2013: 177)は、ESDに関する研究をレビューし、教育学的観点から 5つの課題を指摘している。(1)「学習者の視点」に立ったESDの理解、 (2)ESDで育まれるべき「力」を総合的に捉えること、(3)現代社会シ ステムの構造を踏まえて、環境、経済、社会、政治に関わる学習の諸領域と 展開構造を把握すること、(4)学習者の自己教育過程の論理を明らかにす ること、(5)こうした学びを援助?組織化する教育実践の位置づけと性格 を明らかにすること。 ? 鈴木(2013: 210)は、ESDを「地域づくり教育」(地域再生教育+地域創 造教育)という観点から捉え返すことが必要であり、グローバリゼージョン が進む中で、「地域創造教育」を発展させ、地球環境問題と貧困?社会的排 除問題を同時に解決することに取り組むESICが求められるという。 ? 【成果】ESDに関する全体の議論を踏まえた上で、社会教育研究のアプ ローチや構造の見直しが図られた点。
  • 10. 研究の到達点 ? 笹川(2015)は、年報の貢献した点として、①生涯学習?教育論の実 態を明らかにしたこと、②学習?教育空間の連携?再構成の姿を描いた こと、③教育プログラムにおいて身体性の回復を重視していること、④ 知識創造の場と主体の議論につながること、⑤現場における知の生産を 深めていることを挙げている。 ? 環境教育、開発教育、社会教育の研究者?実践者の協働によって、それ ぞれの研究領域の特徴が浮き彫りになるとともに、社会教育研究として 深めるべき論点が明確になったこと。 ? 3つの「持続可能性」(笹川 2015)の議論が共通認識となったこ と:自然環境の持続性、社会の持続性、人間とその学習の持続性。 ? 環境教育や開発教育におけるファシリテーターやプログラムの議論 が共有されるとともに、従来、社会教育研究の射程に収まりきらな かった様々な社会的アクターの活動に改めて焦点が当てられること で、「持続可能な地域」という共通項のもと、社会的アクターの役 割や、支援者の専門性や養成に関する議論が喚起されたこと。 ? ESDの推進の前提とされてきた、「環境」「社会」「学習」といっ た諸概念に対する振り返りがなされ、「持続可能性」に関する教育 学の基盤が形成されたこと。
  • 11. 課題:ESDの「学習」論の展開 ? ESDに関する「学習」論を、実践とつなげ深めていく研究方法 ? 「経験」的学習の分析の深化:成人学習論においては、学習者の 「経験」を軸にした学習論の展開が主要な論点となりつつあるが (山内?山田編 2016等)、インフォーマルな学習を軸にした教育 や実践の分析が十分に行われているわけではない。 ? 学習の「成果」の構造化も重要 ? コンピテンシーや能力を、脱文脈的に捉えるのではなく、ESDに 関する教育や実践の構造の中から組み立てていくアプローチ。 ? 特に政治的な次元が重要となる(湯本 2015 参照)。 ? 例えば、Hill(2012)は「環境リテラシー」を、リテラシーや ニューメラシーに並ぶ要素と位置付けつつ、生態学的リテラシー と環境的市民性の双方を同時に含みこむ概念として定義し、「実 践主義」を中核的な要素として位置付けている。 ? アクターの結びつきとその中での学習の深化を追うアプローチ ? ESDを支える様々な社会的アクターの活動は、他のアクターの活動 と結びつくことによって、さらなる展開を見せる。 ? この時に、アクターの活動の展開過程と、参加者の意識?行動?関 係の変容を並行して捉えていく視点が重要になる。
  • 12. 課題:「持続可能な地域」とは? ? 「持続可能な地域」を考える際に「社会関係資本」の議論が参考になる。 ? 近年、再生可能エネルギーの領域で、「社会関係資本」の議論が注 目され、社会教育との接点が問われ始めている。 ? 諸富(2003: 57-58)は、市場と社会的共通資本(社会資本と自然 資本)の基盤に制度(市場や社会的共通資本の運営ルール)を位置 づけ、この制度の運営に社会関係資本が与える影響を重視している。 そして「「持続可能な発展」を追求するための政策や制度がうまく 機能するか否かは、…新しい社会関係資本が十分な厚みを持って 我々の社会に存在しているか否かにかかっている」と述べる(諸富 2003: 105)。 ? これは、社会関係資本を「集合財」として捉える視点。 ? 同じく、八木(2015)は再生可能エネルギー関係のガバナンス研究 の中で、社会的アクターの活動の中で形成される地域の社会関係資 本に注目し、飯田市の公民館(分館)の活動の分析を行っている。 ? 社会関係資本の考え方を援用し、社会教育が「持続可能な地域」づくり に果たす役割を明確にすることもできるのでは(荻野 2016 等)。 ? 「持続可能な地域」づくりを進めるにあたり、ESDに関わる様々な社会 的アクターの関係をどうつくるか、社会教育?高等教育機関の役割は何 か、ファシリテーターの力量をどう育てるのか、等が論点となる。
  • 13. 参考文献(1) ? 阿部治(2013)「3.大学におけるESDの推進:特に地域連携について」『ESDと大学』風 媒社, 41-58. ? 安藤聡彦(2012)「社会教育研究と開発?環境問題及びESDとの関係」『日本社会教育学会 紀要』48: 87-8. ? 安藤聡彦(2013)「公害問題を伝える:環境教育学からのアプローチのために」日本社会教 育学会60周年記念出版部会編『希望への社会教育:3?11後の社会のために』東洋館出版 社,138-154. ? 朝岡幸彦(2005)「グローバリゼーションのもとでの環境教育?持続可能な開発のための教 育(ESD)」『教育学研究』72(4): 530-43. ? 朝岡幸彦(2015)「ESD時代における社会教育の役割」日本社会教育学会編『社会教育とし てのESD:持続可能な地域をつくる」(日本の社会教育第59集)東洋館出版社, 22-32. ? 朝岡幸彦?酒井佑輔(2012)「<ローカルな知>とunlearn概念に関する考察:鈴木敏正『地 域創造教育』論を手がかりとして」『北海道大学大学院教育学研究院紀要』116: 29-41. ? 降旗信一(2005)「国連持続可能な開発のための教育の10年(UN-DESD)における社会教育 の課題」日本社会教育学会編『グローバリゼーションと社会教育?生涯学習』(日本の社会教 育第49集)東洋館出版社, 186-198. ? 降旗信一(2012)「環境教育におけるESDの受容と課題」『日本社会教育学会紀要』48: 82- 84. ? 原子栄一郎(2010)「環境教育というアイディアに基づいて環境教育の学問の場を開く」『環 境教育』19(3): 88-101.
  • 14. 参考文献(2) ? 秦範子(2015)「ポスト3.11の社会教育における環境学習?ESD の可能性と課題:津波被災 地の自然体験活動を中心にした教育実践を事例に」日本社会教育学会編『社会教育としての ESD:持続可能な地域をつくる」(日本の社会教育第59集)東洋館出版社, 79-89. ? Hill, Robert J.(2012)”Civic Engagement and Environmental Literacy,” Mu?noz, Linda and Heide Spruck Wrigley,“ Adult Civic Management in Adult Learning, New Directions for Adult Continuing Education, 135. ? 上條直美(2012)「開発教育におけるESDの受容と課題」『日本社会教育学会紀要』48: 84- 86. ? 金宝藍(2015)「韓国における「エネルギーマウル」自立運動とその学習活動:「持続可能 な社会」の創造に向かう自己教育実践を手がかりに」日本社会教育学会編『社会教育としての ESD:持続可能な地域をつくる」(日本の社会教育第59集)東洋館出版社, 101-111. ? 牧野 篤(2015) 「「学び」の生成論的転回へ:社会の持続可能性と生涯学習を問う視点」日 本社会教育学会編『社会教育としてのESD:持続可能な地域をつくる」(日本の社会教育第59 集)東洋館出版社, 55-65. ? 三宅隆史(2016)「MSGsからSDGsへ」田中治彦?三宅隆史?湯本浩之編『SDGsと開発教 育:持続可能な開発目標のための学び』学文社, 58-74. ? 諸富徹(2003)『思考のフロンティア 環境』岩波書店. ? 中川恵里子(2015)「園児に向けた「脱温暖化教育」の社会的波及効果とESD」日本社会教 育学会編『社会教育としてのESD:持続可能な地域をつくる」(日本の社会教育第59集)東洋 館出版社, 90-100.
  • 15. 参考文献(3) ? 日本社会教育学会編(2015)『地域を支える人々の学習支援:社会教育関連職員の役割と力 量形成』東洋館出版社. ? 二ノ宮リムさち(2014)「東京農工大学大学院における現場立脚型環境リーダー育成」『社 会教育学研究』50(1):56-58. ? 二ノ宮リムさち(2015)「大学院の国際?グローバル教育とESD:「文脈」のなかで研究と 学習を結ぶ「現場体験型グローカル教育」」日本社会教育学会編『社会教育としてのESD: 持続可能な地域をつくる」(日本の社会教育第59集)東洋館出版社, 136-146. ? 小栗有子(2005)「成人教育からみた持続可能な開発のための教育の意義と可能性」日本社 会教育学会編『グローバリゼーションと社会教育?生涯学習』(日本の社会教育第49集)東 洋館出版社, 173-185. ? 小栗有子(2011)「持続可能な地域社会を創造する学びとローカルな知:水俣地元学の成立 と発展の意味を問う」日本社会教育学会編『<ローカルな知>の可能性:もうひとつの生涯 学習を求めて』(日本の社会教育第52集)東洋館出版社, 65-78. ? 小栗有子(2015)「ポストDESD に残された社会教育としての課題:環境教育史論が提起す る問題を中心にして」日本社会教育学会編『社会教育としてのESD:持続可能な地域をつく る」(日本の社会教育第59集)東洋館出版社, 33-43. ? 荻野亮吾(2016)「社会教育とコミュニティ構築に関する比較事例研究の方法:社会関係資 本論に基づくアプローチ」日本社会教育学会編『社会教育研究における方法論』(日本の社 会教育第60集)東洋館出版社. ? 大高研道(2015)「持続可能な働き方を可能とする社会的企業の試みと学び:当事者のピア サポートを基盤としたESD 実践」日本社会教育学会編『社会教育としてのESD:持続可能な 地域をつくる」(日本の社会教育第59集)東洋館出版社, 125-135.
  • 16. 参考文献(4) ? 酒井佑輔(2015)「ESD は地域の社会的排除/包摂とどう向き合うか:ガヤトリ?スピヴァク によるunlearn の可能性」日本社会教育学会編『社会教育としてのESD:持続可能な地域をつ くる」(日本の社会教育第59集)東洋館出版社, 44-54. ? 笹川孝一(2015)「序:ESD の教育学と日本社会教育学会の責務」日本社会教育学会編『社 会教育としてのESD:持続可能な地域をつくる」(日本の社会教育第59集)東洋館出版社, 8- 20. ? 笹川孝一?牧野篤?荻野亮吾?中川友理絵?金宝藍(2015)「社会教育学の視点からESDを 問い直す:「社会教育としてのESD」プロジェクトの研究成果から」『環境教育』24(3), 4- 17. ? 笹井宏益?佐藤一子(2015)「ESD 推進に向けた大学と地域の連携?協働:地域づくりの担 い手養成の視点から」日本社会教育学会編『社会教育としてのESD:持続可能な地域をつく る」(日本の社会教育第59集)東洋館出版社, 160-170. ? 佐々木美貴(2013)「自治体と協力するNGOによるESD:『湿地の文化と技術33選』制作と 活用」『日本社会教育学会紀要』49(1): 48-50. ? 佐々木美貴(2015)「水と湿地をめぐるESD とNGO の役割:日本国際湿地保全連合にそくし て」日本社会教育学会編『社会教育としてのESD:持続可能な地域をつくる」(日本の社会教 育第59集)東洋館出版社, 114-124. ? 末本誠(2015)「ESD 研究としての社会教育研究」日本社会教育学会編『社会教育としての ESD:持続可能な地域をつくる」(日本の社会教育第59集)東洋館出版社, 205-215.
  • 17. 参考文献(5) ? 鈴木尚子(2015)「SD 推進に向けた欧州高等教育機関と非営利組織による連携の意義と課 題:ファッション産業従事者養成の事例をもとに」日本社会教育学会編『社会教育としての ESD:持続可能な地域をつくる」(日本の社会教育第59集)東洋館出版社, 147-157. ? 鈴木?正(2013)『持続可能な発展の教育学:ともに世界をつくる学び』東洋館出版社. ? 鈴木?正(2015)「「社会教育としての生涯学習」とESD」日本社会教育学会編『社会教育 としてのESD:持続可能な地域をつくる」(日本の社会教育第59集)東洋館出版社, 216-226. ? 高橋満?槇石多希子編(2015)『対人支援職者の専門性と学びの空間:看護?福祉?教育職 の実践コミュニティ』創風社. ? 高雄綾子(2014)「ドイツにおけるESD普及指導者の養成プログラム」『社会教育学研究』 50(1):53-55. ? 高雄綾子(2015)「持続可能な地域発展のための学社協働の担い手:ドイツの地域ESD の ネットワーク生成と構造化から」日本社会教育学会編『社会教育としてのESD:持続可能な地 域をつくる」(日本の社会教育第59集)東洋館出版社, 182-192. ? 田中治彦(2005)「開発教育と持続可能な開発のための教育(ESD):参加型社会に向けた 社会教育の役割」日本社会教育学会編『グローバリゼーションと社会教育?生涯学習』(日本 の社会教育第49集)東洋館出版社, 199-211. ? 田中治彦(2013)「日?タイ協力による参加型開発に関わるNGOファシリテーターの養成」 『日本社会教育学会紀要』49(1): 46-47.
  • 18. 参考文献(6) ? 田中治彦(2015)「日?タイ協力による参加型開発に関わるファシリテーター養成と「知 識」創造」日本社会教育学会編『社会教育としてのESD:持続可能な地域をつくる」(日本の 社会教育第59集)東洋館出版社, 171-181. ? 田中治彦(2016)「開発教育の歴史と課題」田中治彦?三宅隆史?湯本浩之編『SDGsと開発 教育:持続可能な開発目標のための学び』学文社, 2-17. ? 生方秀紀(2010)「地域教育力を活かしたESD人材育成」生方秀紀?神田房行?大森享 『ESDをつくる:地域でひらく未来への教育』ミネルヴァ書房, 126-158. ? 内田光俊(2015)「「ESD 推進のための公民館- CLC 国際会議」の意義と課題」日本社会教 育学会編『社会教育としてのESD:持続可能な地域をつくる」(日本の社会教育第59集)東洋 館出版社, 68-78. ? 八木信一(2015)「再生可能エネルギーの地域ガバナンス:長野県飯田市を事例として」諸 富徹編『再生可能エネルギーと地域再生』日本評論社, 149-170. ? 山内祐平?山田政寛編(2016)『インフォーマル学習』ミネルヴァ書房. ? 湯本浩之(2014)「地域課題に向き合うファシリテーターの役割:開発教育の経験と観点か ら」『社会教育学研究』50(1):51-53. ? 湯本浩之(2015)「開発教育から見るポストDESD に向けた課題と展望:市民セクターによ る教育ネットワークづくりに向けて」日本社会教育学会編『社会教育としてのESD:持続可能 な地域をつくる」(日本の社会教育第59集)東洋館出版社, 194-204.