FRB, ECBの政策のレビューとその影響、それと今日?明日の日銀政策決定会合のプレビューをする。 先ずFRBについて、 今回の追加緩和の内容についての説明は省くが、Press Conferenceの内容も踏まえて、なぜopen-endedなのかという点だけ確認しておきたい。 Bernanke議長は、今回の措置は、労働市場の改善を目的としている為、量的緩和の量と期限、その買入れ資産の種類も労働市場の改善状況次第で変わり得る、従って、量的緩和の内容に数値的な制限を設けることができないと述べている。つまり、「無制限に買う」ということが、これまでのQEより緩和度合いを強めたというよりも、状況次第でオペレーションを変えられる余地を拡大させた、というのが正しい解釈。 ?今回の緩和策の影響を考えると、確かにセンチメントには大きなインパクトを与えたが、量的緩和と時間軸効果という政策手段と、低金利による投資と、資産効果による消費の需要を創出するという政策効果の波及チャネルは変わっていない。従って、将来の安定的な収入見通しが伴わない限り、持続的な需要創出は期待できないというframeworkも変わっていない。結局、金融政策は直接需要に働きかけることはできないし、貨幣面で見ると貨幣の流通速度や貨幣乗数はマネージできないということで、 要するに、Bernankeも認めている通り、この金融政策だけでは雇用問題は解決しないし、ファンダメンタルズは改善しないということ。 次にECBの国債買入れ策については、 ① 重要なのは、国債買入れの為にはESMへの支援要請、つまり更なる緊縮財政が条件となり、ファンダメンタルズに与える影響 は、反ってネガティブになり得るということ。 ② 一方、市場が好意的に捉えている要因はおそらく2つあって、①Merkelの強硬姿勢が軟化しており、非支援国の緊縮財政の緩和 や財政?政治統合が大きく進展する可能性があると見ていることと、②ESMとECBによる国債買入れが、実質的な財政統合になり得る、と見ていることと思われる。 ③ しかし、来年の選挙を控えて、Merkelも強硬姿勢を維持せざるを得ず、また、ESMやECBの国債買入れについても、支援国の 負担を無尽蔵に増加させることはできない。 ④ 結局、一つの国の様に、富める地域から貧しい地方への所得移転を許容することができないのであれば、周辺国の競争力を高め て経済?財政状態を改善させない限り、いつまでもコア国からの支援に頼ることになるが、それは債権国の選挙民