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Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved.
zacky1972北九州市立大学 山崎 進
本学部でのアクティブラーニングの導入事例?
~コンセプトは「多読と発表」「原理と概念の理解」
国際環境工学部 少人数テーマ特化型FD研修 2015/12/2
1
http://bit.ly/1Q0fOgo
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緒言にかえて
FD研修もアクティブ?ラーニングでありたい
? 授業実践の正解は一通りではないし,分野によっても異なるでしょう
? 本講演は事例紹介ですが「正解例」として提示したくはないです
? そもそも今でも悩みながら授業をしているし
? むしろ,本事例を「着想のための素材」だと捉えてほしいです
? 先生方の想像力を喚起するような事例発表でありたいと思います
2
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はじめに
~アクティブ?ラーニングの目指す理想像
3
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はじめに
~アクティブ?ラーニングの目指す理想像
? 学生にもっと自主的に学んでほしい。学生たるもの知的好奇心が旺盛で
あってほしいという願いは,大学教員ならば,ため息をつきながら誰し
も思うところであろう。学生にあふれるような知的好奇心さえあれば,
大学にはそのような知的好奇心を満たす要素は,図書館,ゼミ,卒業研
究指導など,実にたくさんある。しかし,残念なことに,多くの学生は
このような向学心に乏しいように見受けられる。いったいどうやったら
知的好奇心や向学心を持たせられるのであろうか。
4
? Univ. of Kitakyushu
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はじめに
~アクティブ?ラーニングの目指す理想像
? そうはいっても,それは学生の責任ばかりではない。もし学生の向学心
を育もうというのであれば,教える側が旧来の講義スタイルのままであっ
て良いのだろうか。何の工夫もない一方通行の講義で健全な向学心を育
める確率は,実は低いのではないだろうか。大学教員のみなさんは確か
に旧来の講義の中でも自らの知的好奇心を育んで学問の道に入ったかも
しれない。しかしそれは全体から見れば数少ない,ラッキーな事例に過
ぎないのではないだろうか。もしたくさんの能動的な学生を育成したい
のであれば,それ相応の取り組みをする必要がある。
5
? Univ. of Kitakyushu
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はじめに
~アクティブ?ラーニングの目指す理想像
? 最近,教育界で流行している「アクティブ?ラーニング」というキー
ワードは,今までにたくさんの論者がそれぞれに解釈している状態であっ
たが,筆者は前述のような「学生が能動的に学習する」という理想的な
状態,もしくはそれを目指した様々な取り組みのことを指すという解釈
をした。これは多くの大学教員にとっても望まれる理想像として受け入
れられるであろう。
6
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はじめに
~アクティブ?ラーニングの目指す理想像
? とくに筆者が指導するソフトウェアの技術は日進月歩ですぐに技術が陳
腐化するため,単に技術を1回学べば終わりではなく,生涯新しい技術を
学び続ける必要がある。技術を学び続ける姿勢を身に付けることは,ア
クティブ?ラーニングの目指す状態とも合致する。ソフトウェアの分野
ではとくにアクティブ?ラーニングを渇望している状態だと言っても過
言ではない。
7
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はじめに
~アクティブ?ラーニングの目指す理想像
? アクティブ?ラーニングが目指す「学生が能動的に学習する」という状
態は,大学教員だけが求めているわけではない。文部科学省も大学教育
の方向性として,アクティブ?ラーニングを強く打ち出している。(中略)
すなわち,産業界や地域社会も学生が能動的に学習することを望んでい
ると主張している。このようにアクティブ?ラーニングに対する社会的
な要請?期待はとても大きい。自分たちも望んでいることで,社会から
も望まれていることだとしたら,取り組まない手はないだろう。
8
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成果
~アクティブ?ラーニングに取り組みました
?学生は生き生きとしてきました!
9
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2つのアクティブ?ラーニングの事例
? 大学院科目「ソフトウェア工学概論」
? コンセプトは「多読と発表」
? 学部2年次科目「コンピュータシステム」
? コンセプトは「原理と概念の理解」
10
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ソフトウェア工学概論:最終成果物(ポスター)
~2013年度
11
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ソフトウェア工学概論:最終成果物(ポスター)
~2014年度
12
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ソフトウェア工学概論:最終成果物(ポスター)
~2014年度
13
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ソフトウェア工学概論:最終成果物(ポスター)
~2015年度
14
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コンピュータシステム (中間ふりかえり)
? この講義でやっとプログラムの動きを理解することができた。 視界の悪
い霧が晴れたような気分です。 今はC言語でも自分の知らない関数がた
くさんあることが分かってきたので、もっとプログラムが他にどんな動
きができるのか学んでいきたいです。 他にもRubyやPythonなどのプロ
グラム言語があることが分かったので もう少しC言語を扱えるようになっ
たら学んでいきたいです。
? 主に基本的な語句また、その意味などについて学べた様に感じます。 前
回しっかりと理解できていなかった部分がその後の勉強で頭に入ってい
ました。 さらに知りたいと感じることは、語句などで学んだものを目で
見て認識を深めたいと感じました。
15
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コンピュータシステム (中間ふりかえり)
? プログラムやコンピュータの各要素がどのような働きをしているのかに
ついて理解したりイメージしたりしやすくなった。 しかし、専門的な用
語を覚える事はまだあまり出来ておらず、一つ一つの用語をテキストな
どを参照しながら理解するレベルで、単語が唐突に出てきてもイメージ
がわかなかったり、働きや意味がすぐに思い浮かばなかったりする。 現
在では、様々なプログラム言語が存在するが、それぞれどのような性格
があり、どんな利点や欠点、指向性があるのか、何を目的にして開発さ
れた言語なのかなどを知りたい。
? 現在、コンピュータシステムに関する知識やイメージを頭に入れること
に集中しています。 しかし、その知識をどう活かせばいいのかがわから
ずにいます。自分達が身につけた知識はどう活用すれば良いのかを知り
たいです。
16
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「発問」の力~ソフトウェア工学概論
17
? Univ. of Kitakyushu
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http://bit.ly/1lL9ePV
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着想
? 2012年の授業で,思いつきで学生に「発問」させてみた
? Moodleの機能を使って講義資料を読んでの質問を収集
? 素朴ながら本質を突く質問が多数集まり,驚いた
? 翌週の授業予定を変更し,質問に回答?解説する即席講義を行った
? 学生の集中力は高く,とても好評
? 教師としても緊張感と張り合いがあり,楽しい
? しかし,次の致命的な問題があり,継続するには難があった
? 解説に授業時間90分丸々費やしてしまい,他のことができない
? スケジュール上,週末に回答準備を要し,教師負担が極めて高い
? 着想としては捨てがたいので,授業期間終了後も考察し続けた
18
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質問例 (ただし2015年度のもの)
? 顧客とコミュニケーションを行う開発者とその開発者の上司(または同僚)
間におけるレビューによって仕様(UI,レイアウト)の変更を命じられた場
合,果たして顧客とレビュー担当者のアドバイスどちらを優先すべきな
のであろうか。
? 顧客が本当に必要だったもの(http://
miniminiadmin.jugem.jp/?eid=460)の風刺画には「顧客が本当に必要
だったもの」として10枚のイラストが登場しているが果たしてそのよう
にあからさまに顧客の要求とかけ離れたものが最終的に出来上がるので
あろうか.
19
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質問例 (ただし2015年度のもの)
? デスマーチ?プロジェクトに参画要請する企業としない企業を比べると、
顧客側はデスマーチを行う企業に発注をするケースが増え、デスマー
チ?プロジェクトを行わないことには仕事がとれないという状況にはな
らないのか
? 顧客が要求の一部を諦めてスケジュール通りにシステムを手にするか、
スケジュールをずらして要求のすべてを実装したシステムを手にするのか
の判断をどのように行っているのか。
? 企業がビジネスとして行っているソフトウェア開発において学べること
と、学生のソフトウェアの授業で学べることの違いはなんだろうか? ま
た、その違いが分かった上で、学生がソフトウェアをツールとして使う
上で、今後、学ばなければならないこととはなんだろうか?
20
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質問例 (ただし2015年度のもの)
? 複雑なシステムのテストとなった場合網羅的にテストをしていてはいくら
時間があっても足りないであろう。このような状況において,ピンポイ
ントにテストをしてバグを見逃すことはないのだろうか。もしくは,バ
グを見逃さないように複数人で何十にもチェックするのであろうか.
? アジャイルソフトウェア開発が近年主流となっているという旨の記述が
存在したが,ソフトウェア開発はもっと以前から行われていたはずでそ
のような問題が発生していたであろうと考えられるが,なぜ近年になっ
てようやくこのような考え方が出始めたのであろうか?
? 見積もりをその期間で出したのであれば,一通りの完成まで仕上げるこ
とが社会人として当たり前のことなのではないか
21
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質問例 (ただし2015年度のもの)
? 代替手順を作成する際に,場合によって代替手順は変わると思うが,予
想されるすべてのパターンにおいての代替手順を用意するのか?
? ペアプログラミングの利点は理解できたが、実際に行うときには多くの
障害があると考えられる。例えばチームでペアローテーションをする場
合、プログラミングの技術の差、年齢の差などがある人や性格的に合わ
ない人などもその他の人と同じようにペアを組むべきか。
? ピアレビューの効果として、時間と短縮出来たり、品質コストを抑えた
りするなどの利点が挙げられるが、欠点についてはどのような点がある
か。
22
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学生からの質問をネットで集めるには
? いろんなツールがあります
? 私は現在 Google Drive のアンケート機能を使っています
? 他にもいろいろあり,時間があれば試したいところです
? (Moodle が使えない)講義室での運用
? QRコードをプロジェクターで表示
? QR code 等のキーワードで検索すればいろいろツールあります
? スマートフォン等で入力させる
? Google Drive のアンケート機能はスマートフォン対応しています
23
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学生からの質問をネットで集めるには
~応用編
? ネットでアンケート集計できると,いろいろ使いどころがあります
? 予習や授業での質問を集めて,フィードバック即席講義をする
? 学生が集中して聞いてくれます!
? アンケートをとって授業改善に役立てる
? 学生は案外真 に授業改善案を考えてくれます!
? オリエンテーションでシラバスを読ませて授業の進め方の質問に答える
? 学生が納得して授業に臨んでくれます!
24
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「発問」を核とした授業づくり
? 授業15週を2部に分割
? Part I: リーディング?アサインメント
? 毎週たくさんの専門書をひたすら多読させる
? 気になった点の要約と,リサーチ?クエッションを提出
? Part II: リサーチ&プレゼンテーション
? リサーチ?クエッションの中から1つ選んで調査研究する
? 2回ポスター発表し,1回終わったら洗練させる
25
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概念と原理のディープ?ラーニング
~コンピュータシステム
26
http://bit.ly/1OsSC8X
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概念や原理を理解するとは?
? 以前のFD研修~インストラクショナル?デザイン(ID)講座より
? IDでは「○○を理解する」は望ましくないとされる
頭の中の変化にすぎず本当に習得したのか客観的に判断できないから
? そこでたとえば「○○(という言葉)の意味を説明できる」とする
習得すればできるようになる行動として具体的に学習目標を書き表す
? これに対しこんな質問が寄せられた。どう答えるべき?
? 「??を理解する」という学習目標のままの方がより適切だ。なぜな
らば「??(という言葉)の意味を説明できる」というのでは,単に言
葉を丸暗記して意味を復唱できるという浅い理解だけでしかない。
「??を理解する」という記述では,より深い理解を期待している。
27
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概念や原理を理解するとは?
? 「??を理解する」という学習目標のままの方がより適切だ。なぜなら
ば「??(という言葉)の意味を説明できる」というのでは,単に言葉を丸
暗記して意味を復唱できるという浅い理解だけでしかない。「??を理
解する」という記述では,より深い理解を期待している。
? より深い理解を期待したいのであれば,深い理解を達成した時にできる
ようになる行動で学習目標を記述するのがID的には正しいだろう
? では具体的にどのような行動を目標として設定すれば本来の意図に近い
記述になるのだろう?
28
Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972
概念や原理を理解するとは?
? 長年の考察の末,たどりついた結論
? 「概念や原理を理解する」ということは次の学習目標を統合したもの
1. 用語の暗記: 概念や原理に関連する用語とその意味を対応させて説明で
きる。
2. 直観的な理解: 概念や原理,用語同士の関連について,例示や図示をし
ながら説明できる。
3. 応用技能: 与えられた問題に対し,原理を適用して解を導き出せる。
29
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直観的な理解
? 用語を丸暗記するだけでは生きた知識にはならない
? そこで次のような授業づくりをする
1. 覚えた用語を今まで得た知識や経験と結びつける。
2. 覚えた用語を用いながら,概念や原理について,例示や図示をしながら
自分の言葉で説明する。
3. 覚えた用語同士を関連付ける。
4. 原理を体感する。
30
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覚えた用語を今まで得た知識や経験と結びつける
? 新たな用語を覚える際に既に知っていることとの関連づけで理解させる
? 教育の専門用語で先行オーガナイザといいます
? オペレーティングシステムのマルチタスクの例
? マルチタスクを身近な例にたとえさせる課題を出す
? 解答例: 事務作業,料理など
31
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覚えた用語を用いながら,概念や原理について,?
例示や図示をしながら自分の言葉で説明する
? 用語をただ覚えるだけでなく,覚えたことをアウトプットさせる
? 具体例を出させる
? 図を書かせる
? 自分の言葉で説明させる
? オペレーティングシステムのマルチタスクの例
? 身近な例に沿って,覚えた用語を一通り説明させる
? 解答例: 事務作業におけるプリエンプションは,上司の指示によっ
て現在行っている事務作業を中断することに相当する
32
Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972
覚えた用語同士を関連付ける
? 関連性の高い用語同士を強く結びつけて覚えさせる
? 身近な例にたとえやすい主要な用語を先に覚えさせて,身近な例に関
連づけて定着させた後で,既に覚えた用語に関連づけるように新たな
用語を覚えさせる
? 一通りの学習を終えた後で,覚えた用語を関連深い学習単元ごとに分
類させる
33
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原理を体感する
? 原理をうまく切り出して,体感するようなワークショップを行う
? 例: ロールプレイング?ワークショップ
? グループでCPU になりきって,レジスタやメモリ,I/Oにアクセスし
ながら,機械語プログラムを解読して実行を進める
34
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まとめ?
~パネルディスカッションへ向けて
35
http://bit.ly/1iqXFf6
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さらに進めるには
? 「授業をデザインする」という発想
? インストラクショナル?デザイン(ID)
? 教材設計マニュアル
? インストラクショナルデザインの原理
? 不易と流行
? 技術が急速に進化する時代であっても,いや,それだからこそ,じっ
くり蓄積と熟成に時間をかけるべき要所が存在する
? 学生の素朴な疑問に向き合ったこと
? 概念や原理を理解するとはどういうことか考察したこと
36
? K. Suzuki
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? R. Gagne et al.
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Susumu Yamazaki
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Susumu Yamazaki
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Instructional Design of a Highly Effective Blended Learning Course with Group...
Susumu Yamazaki
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Introduction to the Software Engineering Laboratory 2012 (zacky1972)
Susumu Yamazaki
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本学部でのアクティブラーニングの导入事例?~コンセプトは「多読と発表」「原理と概念の理解」

  • 1. Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972北九州市立大学 山崎 進 本学部でのアクティブラーニングの導入事例? ~コンセプトは「多読と発表」「原理と概念の理解」 国際環境工学部 少人数テーマ特化型FD研修 2015/12/2 1 http://bit.ly/1Q0fOgo
  • 2. Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972 緒言にかえて FD研修もアクティブ?ラーニングでありたい ? 授業実践の正解は一通りではないし,分野によっても異なるでしょう ? 本講演は事例紹介ですが「正解例」として提示したくはないです ? そもそも今でも悩みながら授業をしているし ? むしろ,本事例を「着想のための素材」だと捉えてほしいです ? 先生方の想像力を喚起するような事例発表でありたいと思います 2
  • 3. Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972 はじめに ~アクティブ?ラーニングの目指す理想像 3
  • 4. Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972 はじめに ~アクティブ?ラーニングの目指す理想像 ? 学生にもっと自主的に学んでほしい。学生たるもの知的好奇心が旺盛で あってほしいという願いは,大学教員ならば,ため息をつきながら誰し も思うところであろう。学生にあふれるような知的好奇心さえあれば, 大学にはそのような知的好奇心を満たす要素は,図書館,ゼミ,卒業研 究指導など,実にたくさんある。しかし,残念なことに,多くの学生は このような向学心に乏しいように見受けられる。いったいどうやったら 知的好奇心や向学心を持たせられるのであろうか。 4 ? Univ. of Kitakyushu photo by Amazon
  • 5. Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972 はじめに ~アクティブ?ラーニングの目指す理想像 ? そうはいっても,それは学生の責任ばかりではない。もし学生の向学心 を育もうというのであれば,教える側が旧来の講義スタイルのままであっ て良いのだろうか。何の工夫もない一方通行の講義で健全な向学心を育 める確率は,実は低いのではないだろうか。大学教員のみなさんは確か に旧来の講義の中でも自らの知的好奇心を育んで学問の道に入ったかも しれない。しかしそれは全体から見れば数少ない,ラッキーな事例に過 ぎないのではないだろうか。もしたくさんの能動的な学生を育成したい のであれば,それ相応の取り組みをする必要がある。 5 ? Univ. of Kitakyushu photo by Amazon
  • 6. Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972 はじめに ~アクティブ?ラーニングの目指す理想像 ? 最近,教育界で流行している「アクティブ?ラーニング」というキー ワードは,今までにたくさんの論者がそれぞれに解釈している状態であっ たが,筆者は前述のような「学生が能動的に学習する」という理想的な 状態,もしくはそれを目指した様々な取り組みのことを指すという解釈 をした。これは多くの大学教員にとっても望まれる理想像として受け入 れられるであろう。 6 ? Univ. of Kitakyushu photo by Amazon
  • 7. Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972 はじめに ~アクティブ?ラーニングの目指す理想像 ? とくに筆者が指導するソフトウェアの技術は日進月歩ですぐに技術が陳 腐化するため,単に技術を1回学べば終わりではなく,生涯新しい技術を 学び続ける必要がある。技術を学び続ける姿勢を身に付けることは,ア クティブ?ラーニングの目指す状態とも合致する。ソフトウェアの分野 ではとくにアクティブ?ラーニングを渇望している状態だと言っても過 言ではない。 7 ? Univ. of Kitakyushu photo by Amazon
  • 8. Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972 はじめに ~アクティブ?ラーニングの目指す理想像 ? アクティブ?ラーニングが目指す「学生が能動的に学習する」という状 態は,大学教員だけが求めているわけではない。文部科学省も大学教育 の方向性として,アクティブ?ラーニングを強く打ち出している。(中略) すなわち,産業界や地域社会も学生が能動的に学習することを望んでい ると主張している。このようにアクティブ?ラーニングに対する社会的 な要請?期待はとても大きい。自分たちも望んでいることで,社会から も望まれていることだとしたら,取り組まない手はないだろう。 8 ? Univ. of Kitakyushu photo by Amazon
  • 9. Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972 成果 ~アクティブ?ラーニングに取り組みました ?学生は生き生きとしてきました! 9
  • 10. Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972 2つのアクティブ?ラーニングの事例 ? 大学院科目「ソフトウェア工学概論」 ? コンセプトは「多読と発表」 ? 学部2年次科目「コンピュータシステム」 ? コンセプトは「原理と概念の理解」 10
  • 11. Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972 ソフトウェア工学概論:最終成果物(ポスター) ~2013年度 11
  • 12. Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972 ソフトウェア工学概論:最終成果物(ポスター) ~2014年度 12
  • 13. Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972 ソフトウェア工学概論:最終成果物(ポスター) ~2014年度 13
  • 14. Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972 ソフトウェア工学概論:最終成果物(ポスター) ~2015年度 14
  • 15. Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972 コンピュータシステム (中間ふりかえり) ? この講義でやっとプログラムの動きを理解することができた。 視界の悪 い霧が晴れたような気分です。 今はC言語でも自分の知らない関数がた くさんあることが分かってきたので、もっとプログラムが他にどんな動 きができるのか学んでいきたいです。 他にもRubyやPythonなどのプロ グラム言語があることが分かったので もう少しC言語を扱えるようになっ たら学んでいきたいです。 ? 主に基本的な語句また、その意味などについて学べた様に感じます。 前 回しっかりと理解できていなかった部分がその後の勉強で頭に入ってい ました。 さらに知りたいと感じることは、語句などで学んだものを目で 見て認識を深めたいと感じました。 15
  • 16. Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972 コンピュータシステム (中間ふりかえり) ? プログラムやコンピュータの各要素がどのような働きをしているのかに ついて理解したりイメージしたりしやすくなった。 しかし、専門的な用 語を覚える事はまだあまり出来ておらず、一つ一つの用語をテキストな どを参照しながら理解するレベルで、単語が唐突に出てきてもイメージ がわかなかったり、働きや意味がすぐに思い浮かばなかったりする。 現 在では、様々なプログラム言語が存在するが、それぞれどのような性格 があり、どんな利点や欠点、指向性があるのか、何を目的にして開発さ れた言語なのかなどを知りたい。 ? 現在、コンピュータシステムに関する知識やイメージを頭に入れること に集中しています。 しかし、その知識をどう活かせばいいのかがわから ずにいます。自分達が身につけた知識はどう活用すれば良いのかを知り たいです。 16
  • 17. Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972 「発問」の力~ソフトウェア工学概論 17 ? Univ. of Kitakyushu photo by Amazon http://bit.ly/1lL9ePV
  • 18. Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972 着想 ? 2012年の授業で,思いつきで学生に「発問」させてみた ? Moodleの機能を使って講義資料を読んでの質問を収集 ? 素朴ながら本質を突く質問が多数集まり,驚いた ? 翌週の授業予定を変更し,質問に回答?解説する即席講義を行った ? 学生の集中力は高く,とても好評 ? 教師としても緊張感と張り合いがあり,楽しい ? しかし,次の致命的な問題があり,継続するには難があった ? 解説に授業時間90分丸々費やしてしまい,他のことができない ? スケジュール上,週末に回答準備を要し,教師負担が極めて高い ? 着想としては捨てがたいので,授業期間終了後も考察し続けた 18
  • 19. Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972 質問例 (ただし2015年度のもの) ? 顧客とコミュニケーションを行う開発者とその開発者の上司(または同僚) 間におけるレビューによって仕様(UI,レイアウト)の変更を命じられた場 合,果たして顧客とレビュー担当者のアドバイスどちらを優先すべきな のであろうか。 ? 顧客が本当に必要だったもの(http:// miniminiadmin.jugem.jp/?eid=460)の風刺画には「顧客が本当に必要 だったもの」として10枚のイラストが登場しているが果たしてそのよう にあからさまに顧客の要求とかけ離れたものが最終的に出来上がるので あろうか. 19
  • 20. Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972 質問例 (ただし2015年度のもの) ? デスマーチ?プロジェクトに参画要請する企業としない企業を比べると、 顧客側はデスマーチを行う企業に発注をするケースが増え、デスマー チ?プロジェクトを行わないことには仕事がとれないという状況にはな らないのか ? 顧客が要求の一部を諦めてスケジュール通りにシステムを手にするか、 スケジュールをずらして要求のすべてを実装したシステムを手にするのか の判断をどのように行っているのか。 ? 企業がビジネスとして行っているソフトウェア開発において学べること と、学生のソフトウェアの授業で学べることの違いはなんだろうか? ま た、その違いが分かった上で、学生がソフトウェアをツールとして使う 上で、今後、学ばなければならないこととはなんだろうか? 20
  • 21. Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972 質問例 (ただし2015年度のもの) ? 複雑なシステムのテストとなった場合網羅的にテストをしていてはいくら 時間があっても足りないであろう。このような状況において,ピンポイ ントにテストをしてバグを見逃すことはないのだろうか。もしくは,バ グを見逃さないように複数人で何十にもチェックするのであろうか. ? アジャイルソフトウェア開発が近年主流となっているという旨の記述が 存在したが,ソフトウェア開発はもっと以前から行われていたはずでそ のような問題が発生していたであろうと考えられるが,なぜ近年になっ てようやくこのような考え方が出始めたのであろうか? ? 見積もりをその期間で出したのであれば,一通りの完成まで仕上げるこ とが社会人として当たり前のことなのではないか 21
  • 22. Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972 質問例 (ただし2015年度のもの) ? 代替手順を作成する際に,場合によって代替手順は変わると思うが,予 想されるすべてのパターンにおいての代替手順を用意するのか? ? ペアプログラミングの利点は理解できたが、実際に行うときには多くの 障害があると考えられる。例えばチームでペアローテーションをする場 合、プログラミングの技術の差、年齢の差などがある人や性格的に合わ ない人などもその他の人と同じようにペアを組むべきか。 ? ピアレビューの効果として、時間と短縮出来たり、品質コストを抑えた りするなどの利点が挙げられるが、欠点についてはどのような点がある か。 22
  • 23. Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972 学生からの質問をネットで集めるには ? いろんなツールがあります ? 私は現在 Google Drive のアンケート機能を使っています ? 他にもいろいろあり,時間があれば試したいところです ? (Moodle が使えない)講義室での運用 ? QRコードをプロジェクターで表示 ? QR code 等のキーワードで検索すればいろいろツールあります ? スマートフォン等で入力させる ? Google Drive のアンケート機能はスマートフォン対応しています 23
  • 24. Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972 学生からの質問をネットで集めるには ~応用編 ? ネットでアンケート集計できると,いろいろ使いどころがあります ? 予習や授業での質問を集めて,フィードバック即席講義をする ? 学生が集中して聞いてくれます! ? アンケートをとって授業改善に役立てる ? 学生は案外真 に授業改善案を考えてくれます! ? オリエンテーションでシラバスを読ませて授業の進め方の質問に答える ? 学生が納得して授業に臨んでくれます! 24
  • 25. Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972 「発問」を核とした授業づくり ? 授業15週を2部に分割 ? Part I: リーディング?アサインメント ? 毎週たくさんの専門書をひたすら多読させる ? 気になった点の要約と,リサーチ?クエッションを提出 ? Part II: リサーチ&プレゼンテーション ? リサーチ?クエッションの中から1つ選んで調査研究する ? 2回ポスター発表し,1回終わったら洗練させる 25
  • 26. Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972 概念と原理のディープ?ラーニング ~コンピュータシステム 26 http://bit.ly/1OsSC8X
  • 27. Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972 概念や原理を理解するとは? ? 以前のFD研修~インストラクショナル?デザイン(ID)講座より ? IDでは「○○を理解する」は望ましくないとされる 頭の中の変化にすぎず本当に習得したのか客観的に判断できないから ? そこでたとえば「○○(という言葉)の意味を説明できる」とする 習得すればできるようになる行動として具体的に学習目標を書き表す ? これに対しこんな質問が寄せられた。どう答えるべき? ? 「??を理解する」という学習目標のままの方がより適切だ。なぜな らば「??(という言葉)の意味を説明できる」というのでは,単に言 葉を丸暗記して意味を復唱できるという浅い理解だけでしかない。 「??を理解する」という記述では,より深い理解を期待している。 27
  • 28. Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972 概念や原理を理解するとは? ? 「??を理解する」という学習目標のままの方がより適切だ。なぜなら ば「??(という言葉)の意味を説明できる」というのでは,単に言葉を丸 暗記して意味を復唱できるという浅い理解だけでしかない。「??を理 解する」という記述では,より深い理解を期待している。 ? より深い理解を期待したいのであれば,深い理解を達成した時にできる ようになる行動で学習目標を記述するのがID的には正しいだろう ? では具体的にどのような行動を目標として設定すれば本来の意図に近い 記述になるのだろう? 28
  • 29. Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972 概念や原理を理解するとは? ? 長年の考察の末,たどりついた結論 ? 「概念や原理を理解する」ということは次の学習目標を統合したもの 1. 用語の暗記: 概念や原理に関連する用語とその意味を対応させて説明で きる。 2. 直観的な理解: 概念や原理,用語同士の関連について,例示や図示をし ながら説明できる。 3. 応用技能: 与えられた問題に対し,原理を適用して解を導き出せる。 29
  • 30. Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972 直観的な理解 ? 用語を丸暗記するだけでは生きた知識にはならない ? そこで次のような授業づくりをする 1. 覚えた用語を今まで得た知識や経験と結びつける。 2. 覚えた用語を用いながら,概念や原理について,例示や図示をしながら 自分の言葉で説明する。 3. 覚えた用語同士を関連付ける。 4. 原理を体感する。 30
  • 31. Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972 覚えた用語を今まで得た知識や経験と結びつける ? 新たな用語を覚える際に既に知っていることとの関連づけで理解させる ? 教育の専門用語で先行オーガナイザといいます ? オペレーティングシステムのマルチタスクの例 ? マルチタスクを身近な例にたとえさせる課題を出す ? 解答例: 事務作業,料理など 31
  • 32. Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972 覚えた用語を用いながら,概念や原理について,? 例示や図示をしながら自分の言葉で説明する ? 用語をただ覚えるだけでなく,覚えたことをアウトプットさせる ? 具体例を出させる ? 図を書かせる ? 自分の言葉で説明させる ? オペレーティングシステムのマルチタスクの例 ? 身近な例に沿って,覚えた用語を一通り説明させる ? 解答例: 事務作業におけるプリエンプションは,上司の指示によっ て現在行っている事務作業を中断することに相当する 32
  • 33. Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972 覚えた用語同士を関連付ける ? 関連性の高い用語同士を強く結びつけて覚えさせる ? 身近な例にたとえやすい主要な用語を先に覚えさせて,身近な例に関 連づけて定着させた後で,既に覚えた用語に関連づけるように新たな 用語を覚えさせる ? 一通りの学習を終えた後で,覚えた用語を関連深い学習単元ごとに分 類させる 33
  • 34. Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972 原理を体感する ? 原理をうまく切り出して,体感するようなワークショップを行う ? 例: ロールプレイング?ワークショップ ? グループでCPU になりきって,レジスタやメモリ,I/Oにアクセスし ながら,機械語プログラムを解読して実行を進める 34
  • 35. Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972 まとめ? ~パネルディスカッションへ向けて 35 http://bit.ly/1iqXFf6
  • 36. Copyright ? Susumu Yamazaki, All Rights Reserved. zacky1972 さらに進めるには ? 「授業をデザインする」という発想 ? インストラクショナル?デザイン(ID) ? 教材設計マニュアル ? インストラクショナルデザインの原理 ? 不易と流行 ? 技術が急速に進化する時代であっても,いや,それだからこそ,じっ くり蓄積と熟成に時間をかけるべき要所が存在する ? 学生の素朴な疑問に向き合ったこと ? 概念や原理を理解するとはどういうことか考察したこと 36 ? K. Suzuki photo by Amazon ? R. Gagne et al. photo by Amazon