狠狠撸

狠狠撸Share a Scribd company logo
民法Ⅰ-2
2011/08/02


■昨日の復習
?民法の基本原則について述べよ
 → 私的自治の原則???契約自由の原則 (教科書 P.16)
?民法とはどのようなルールか説明しろ
 → 公法と私法の違い、刑事法との違い (法の特色)、六法のなかの民法


■明日の予習
?制限行為能力制度について、具体的に説明せよ


■今日の予定
?失踪宣告




3.民法の基本原則
(3)私的自治の原則 ---- 国は個人が決定した、このような生活関係を尊重し、承諾し、
                     保護しないといけないとする権利。


    主に債権関係の原則として存在する(人と人が合意する)
    ↓
    個人は、他者から干渉を受けることなく自由意思に基づいて
    自らの生活関係を決定することができる原則
    ?
    ア.       契約自由の原則
             ??? 契約締結の自由 ← 例外(民90:公序良俗)


             ???方式の自由 ← 契約成立の際に意思表示の合致のみで成立する
                       特定の行為(儀式)を必要としない。


             ???契約性筒の要件
             ① 当事者が存在すること
               有効要件 (契約が契約として成立している場合
               その契約の有効に効力が生ずるための条件)



                                                1
② 意思表示が存在すること
           当事者が表示行為と内心的意思との間に不一致がないこと
           (93,94,95条)
           +
           行為能力があること(取消の可能性がある)


         ③ 目的(内容)が存在すること
           確定していること、実現可能であること、
           社会的妥当性あること、公序良俗に反しない


    イ.   団体設立自由の原則
    ウ.   遺言の自由の原則


(4)過大責任の原則
     ↑
    他人の権利を侵害した場合に、行為後に故意または過失がある場合に
    限って、損害賠償の責任を負わされるという原則


    無過失???結果発生を予見し、その結果発生の会費をするために相当な措置を行った場合。
    (うっかりなし)


10:45~
「権利の濫用」論
↓
外観上は正当な権利行使のようにみえるが、その実態は権利の社会性に反し、正当な権利行使として
認められない場合。


判断基準
    A.権利行使が他人に対して、加害の意思をもっていること。
               (主観的要素)


    B.権利行使により、権利者にもたらされる利益と。
         これによってもたらされる社会的損害との客観的比較。


AとBを総合的に判断し 「権利の濫用」 を決定する。



                                                 2
社会全体ではBを採用する傾向が強い。


4.民法典(現行)の成立        教科書 P.3~4
    ↓
    法典化事業 ←→ 不平等条約改正
              ◎西洋風の法規範の不信在
ボアソナード(フランス人)明治6年
↓
司法省法律学校(フランス式)
↓
私立学校設立 明治20年 大学校(イギリス法中心)
?イギリス式法律学校???(中央)
?東京専門学校


明治22年大日本帝国憲法
1890(明治23年)旧民法公布(フランス式民法)
        (明治24年)第1回帝国議会
    ↓
明治26年 現行民法の起草作業


起草者
?穂積陳重 ← イギリス式
?富井政章 ← フランス式
?梅謙次郎 ← フランス法


新民法はドイツ方式




                                3
13:00~
教科書 P.28


(5)基本原則の修正 ← 「権利の濫用」について          教科書 P.18
    ↓                ↑
    所有権絶対の原則 ← 修正


  Ex.) 教科書 21 [23] 宇奈月町温泉事件


  権利濫用の効果???教科書 P.23 [26]
  (1) 権利能力
         ↑
         権利の主体となることができる資格ないし地位 ←民法3条
         ① すべて自然人(人、法人)は権利能力を有する
         ② 人間以外は権利能力を有しない


         民法上の権利の主体(権利の担い手)


  (2) 権利能力の始期(出生)~終期(死亡)
         出生した時点(胎児はダメ) 教科書 P.28


         A. 一部露出説
         B. 全部露出説(おぎゃー)
         C. 独立呼吸説


         胎児に関して   教科書 P.33    胎児は既に生まれたものとして見なす。
         個別に救済規定を条文化している。
     ① 不法行為に基づく損害賠償請求の場合(民721条)
     ② 相続(民法886①、865条)
     ③ 遺贈をうける場合(965条) 教科書 P.36 [38]


   解除条件説 ← 胎児の間においても、一定の範囲内で胎児に権利能力を有すると解する立場。
              胎児は既に生まれたものとして見なす。


   停止条件説 ← 胎児の間は原則通り、権利能力ないがその胎児が無事出産した場合には
              遡って権利行使が可能。(胎児が生まれたらさかのぼって遺産相続もする)


                                                   4
権利能力の経期(死亡)
― 心臓死説 ←心臓停止、呼吸停止、瞳孔の反応なし
― 脳死説


※同時死亡の推定 (民32条の2)


ア.もしも、甲(父)が子よりも先に死亡したとすると、


イ.    子が甲(父)よりも先に死亡したとすると


民32条の2
甲を子の死亡の失踪不明の場合について
 ↓
同時に死亡したものと推定する。(甲と子が互いに相続人にならない)


     ~と推定する(32条の2)???一応そのようなものとして、取り扱う
     ※ただし、証拠を提出することにより争うことが出来る。   教科書 P.52


     ~とみなす (31条)




                                             5
(3) 失踪宣告


     失踪宣告精度について
       ↑
     権利能力の終期(死亡)
     - 財産???相続の開始
     - 婚姻関係 ???再婚の可能性


     死亡が不明である場合
     ↓
      家出の場合       財産の処理不能 ← ただし証拠を提出することにより争うことができる。
       地震の場合      再婚(民法770条③ 裁判上の離婚 3年以上生死不明)


i.         意義
ii.        要件と手続き?効果
iii.       失踪宣告の取消


失踪宣告のパターン(2個)
― 普通失踪???不在者の精子が7年間明らかでない場合(最後の音信不通の日から)


― 危難失踪???沈没した船舶に乗っていた場合の如く、死亡した可能性が極めて高い状態で
                  生死不明の状態が危難の去った後、1年間継続している場合。
                (その危難が去った時に死亡したものとみられる)


要件:一定期間の生死不明状態の継続
                  +
           利害関係者人からの請求のあること
                  ↓
           家庭裁判所による失踪の宣告


           通常は公示催告手続を経て、死亡したものとみなす(民31条)




                                                       6
16:20~


失踪(死亡)者の財産について


善意:ある事実を知らなかった


悪意:ある事実を知っていること


民32条①項後段、
善意でなされた行為に関しては、影響を与えない。(第三者は保護される)


一応は有効に成立している行為について、一定の理由が存在する場合、一定の者からの「取消」という
意思表示によって、はじめから無効とする精度。




試験


3.胎児の権利能力について説明してください。
4.失踪宣告制度について説明しなさい(要件、効果、取消)
5.制限行為能力制度について説明しなさい。


6.意思能力、行為能力制度について
(1)意思能力
(2)行為能力(← 制限行為能力)
(3)成年後見制度


該当するのは未成年者、精神的な障害があり裁判所より保護者が必要な方


権利能力がある者と取引を行う(通常)




                                             7

More Related Content

2011 08-02-民法ⅰ-2 授业メモ

  • 1. 民法Ⅰ-2 2011/08/02 ■昨日の復習 ?民法の基本原則について述べよ → 私的自治の原則???契約自由の原則 (教科書 P.16) ?民法とはどのようなルールか説明しろ → 公法と私法の違い、刑事法との違い (法の特色)、六法のなかの民法 ■明日の予習 ?制限行為能力制度について、具体的に説明せよ ■今日の予定 ?失踪宣告 3.民法の基本原則 (3)私的自治の原則 ---- 国は個人が決定した、このような生活関係を尊重し、承諾し、 保護しないといけないとする権利。 主に債権関係の原則として存在する(人と人が合意する) ↓ 個人は、他者から干渉を受けることなく自由意思に基づいて 自らの生活関係を決定することができる原則 ? ア. 契約自由の原則 ??? 契約締結の自由 ← 例外(民90:公序良俗) ???方式の自由 ← 契約成立の際に意思表示の合致のみで成立する 特定の行為(儀式)を必要としない。 ???契約性筒の要件 ① 当事者が存在すること 有効要件 (契約が契約として成立している場合 その契約の有効に効力が生ずるための条件) 1
  • 2. ② 意思表示が存在すること 当事者が表示行為と内心的意思との間に不一致がないこと (93,94,95条) + 行為能力があること(取消の可能性がある) ③ 目的(内容)が存在すること 確定していること、実現可能であること、 社会的妥当性あること、公序良俗に反しない イ. 団体設立自由の原則 ウ. 遺言の自由の原則 (4)過大責任の原則 ↑ 他人の権利を侵害した場合に、行為後に故意または過失がある場合に 限って、損害賠償の責任を負わされるという原則 無過失???結果発生を予見し、その結果発生の会費をするために相当な措置を行った場合。 (うっかりなし) 10:45~ 「権利の濫用」論 ↓ 外観上は正当な権利行使のようにみえるが、その実態は権利の社会性に反し、正当な権利行使として 認められない場合。 判断基準 A.権利行使が他人に対して、加害の意思をもっていること。 (主観的要素) B.権利行使により、権利者にもたらされる利益と。 これによってもたらされる社会的損害との客観的比較。 AとBを総合的に判断し 「権利の濫用」 を決定する。 2
  • 3. 社会全体ではBを採用する傾向が強い。 4.民法典(現行)の成立 教科書 P.3~4 ↓ 法典化事業 ←→ 不平等条約改正 ◎西洋風の法規範の不信在 ボアソナード(フランス人)明治6年 ↓ 司法省法律学校(フランス式) ↓ 私立学校設立 明治20年 大学校(イギリス法中心) ?イギリス式法律学校???(中央) ?東京専門学校 明治22年大日本帝国憲法 1890(明治23年)旧民法公布(フランス式民法) (明治24年)第1回帝国議会 ↓ 明治26年 現行民法の起草作業 起草者 ?穂積陳重 ← イギリス式 ?富井政章 ← フランス式 ?梅謙次郎 ← フランス法 新民法はドイツ方式 3
  • 4. 13:00~ 教科書 P.28 (5)基本原則の修正 ← 「権利の濫用」について 教科書 P.18 ↓ ↑ 所有権絶対の原則 ← 修正 Ex.) 教科書 21 [23] 宇奈月町温泉事件 権利濫用の効果???教科書 P.23 [26] (1) 権利能力 ↑ 権利の主体となることができる資格ないし地位 ←民法3条 ① すべて自然人(人、法人)は権利能力を有する ② 人間以外は権利能力を有しない 民法上の権利の主体(権利の担い手) (2) 権利能力の始期(出生)~終期(死亡) 出生した時点(胎児はダメ) 教科書 P.28 A. 一部露出説 B. 全部露出説(おぎゃー) C. 独立呼吸説 胎児に関して 教科書 P.33 胎児は既に生まれたものとして見なす。 個別に救済規定を条文化している。 ① 不法行為に基づく損害賠償請求の場合(民721条) ② 相続(民法886①、865条) ③ 遺贈をうける場合(965条) 教科書 P.36 [38] 解除条件説 ← 胎児の間においても、一定の範囲内で胎児に権利能力を有すると解する立場。 胎児は既に生まれたものとして見なす。 停止条件説 ← 胎児の間は原則通り、権利能力ないがその胎児が無事出産した場合には 遡って権利行使が可能。(胎児が生まれたらさかのぼって遺産相続もする) 4
  • 5. 権利能力の経期(死亡) ― 心臓死説 ←心臓停止、呼吸停止、瞳孔の反応なし ― 脳死説 ※同時死亡の推定 (民32条の2) ア.もしも、甲(父)が子よりも先に死亡したとすると、 イ. 子が甲(父)よりも先に死亡したとすると 民32条の2 甲を子の死亡の失踪不明の場合について ↓ 同時に死亡したものと推定する。(甲と子が互いに相続人にならない) ~と推定する(32条の2)???一応そのようなものとして、取り扱う ※ただし、証拠を提出することにより争うことが出来る。 教科書 P.52 ~とみなす (31条) 5
  • 6. (3) 失踪宣告 失踪宣告精度について ↑ 権利能力の終期(死亡) - 財産???相続の開始 - 婚姻関係 ???再婚の可能性 死亡が不明である場合 ↓ 家出の場合 財産の処理不能 ← ただし証拠を提出することにより争うことができる。 地震の場合 再婚(民法770条③ 裁判上の離婚 3年以上生死不明) i. 意義 ii. 要件と手続き?効果 iii. 失踪宣告の取消 失踪宣告のパターン(2個) ― 普通失踪???不在者の精子が7年間明らかでない場合(最後の音信不通の日から) ― 危難失踪???沈没した船舶に乗っていた場合の如く、死亡した可能性が極めて高い状態で 生死不明の状態が危難の去った後、1年間継続している場合。 (その危難が去った時に死亡したものとみられる) 要件:一定期間の生死不明状態の継続 + 利害関係者人からの請求のあること ↓ 家庭裁判所による失踪の宣告 通常は公示催告手続を経て、死亡したものとみなす(民31条) 6
  • 7. 16:20~ 失踪(死亡)者の財産について 善意:ある事実を知らなかった 悪意:ある事実を知っていること 民32条①項後段、 善意でなされた行為に関しては、影響を与えない。(第三者は保護される) 一応は有効に成立している行為について、一定の理由が存在する場合、一定の者からの「取消」という 意思表示によって、はじめから無効とする精度。 試験 3.胎児の権利能力について説明してください。 4.失踪宣告制度について説明しなさい(要件、効果、取消) 5.制限行為能力制度について説明しなさい。 6.意思能力、行為能力制度について (1)意思能力 (2)行為能力(← 制限行為能力) (3)成年後見制度 該当するのは未成年者、精神的な障害があり裁判所より保護者が必要な方 権利能力がある者と取引を行う(通常) 7