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運動学習
-基底核と小脳の関わり-
本日の目標
?運動学習とは何かを知る。
?運動学習に必要な要素について理解する。
運動学習とは?
パフォーマンスの変化
= 練習の一時的効果 + 練習の永続的効果
運動学習は、練習や経験に基づく一連の過程であり、
結果として技能的行動を行い得る能力の比較的永続的
な変化をもたらすものである
セラピストのための運動学習ABC
運動学習とは?
パフォーマンスの変化
= 練習の一時的効果 + 練習の永続的効果
運動学習
運動学習は、練習や経験に基づく一連の過程であり、
結果として技能的行動を行い得る能力の比較的永続的
な変化をもたらすものである
セラピストのための運動学習ABC
運動学習
神経可塑性
課題練習の
機会
有意義な
目標設定
課題への
能動的参加
代償の回避
一定
vs
多様
課題のおける
認知的必要性
物品の使用
全体
vs
分割
Component
vs
Part task
vs
Whole task
ブロック
vs
ランダム
内的フィードバック
vs
外的フィードバック
課題の複雑性
運動学習
神経可塑性
Hebbの法則
?シナプス前ニューロンの発火によってシナプス後ニューロンに発火が起こる
と、そのシナプスの伝達効率が増強される。
?また逆に、発火が長期間起こらないと、そのシナプスの伝達効率は減退する。
?よく使われるニューロンの回路の処理効率を高め、使われない回路の効率を
下げる。
質を高めるような環境は回復を
増進させる。
使用依存型(Use Dependent)というよりも、
むしろスキル依存型(Skill Dependent)であ
る。
? 使ったり、使わないようにして
? 促通して
? 特異的にして
? 反復して
? 強くして
? 時間をかける
課題練習の
機会
運動学習
有意義な
目標設定
実際の場面で反復される挑戦的で、
意味のある課題が有用である
課題実践が、有意義でなじみのある
活動であれば治療に役立つ
皮質運動ニューロンプールは、筋の
活性化よりも特異的な課題によって
組織化される。
課題のおける
認知的必要性
デモンストレーションと目的志向型課題
でデザインされた活動は有益である。
課題のイメージは、明確な身体活動
を伴わない課題リハーサルであり、
身体練習と結び付けて用いられると
きに積極的な学習効果がある。
課題の背景なしに運動パターンが存在しても、
それは方法を欠いていることになる。
課題への
能動的参加
運動学習
筋骨格系と感覚系の準備(Componentの治療)
は、効率的で効果的な目標達成を可能にするため
の認知系の処理過程を最適にする。
運動の誘導は、選択的で段階付けが
必要である。
Part taskとは、Whole taskに必要な
Componentを複数含んだ課題である。
全体
vs
分割
分割した実践は機能維持を増進する。
Component
vs
Part task
vs
Whole task
Whole taskの再構築へ向けて働きか
ける必要がある。
準備のための時間と課題練習の時間のバランスが
必要である。
運動学習
一定
vs
多様
ブロック
vs
ランダム
課題の複雑性
ブロック練習(複数の課題を1つずつこなす練習)は、練習中
のパフォーマンスの改善に効果的であり、ランダム練習(複数
の課題を無作為な順序で行う練習)は、行為のキャリーオー
バーに効果的である。
運動学習は、運動行為の獲得において正確性を高める
ことだけではなく、さまざまな場面や状況に適応でき
るよう多様性が示されることである。
運動方法を選択し、運動方法の多様性を持つことは、
さまざまな課題や環境に適応する能力を可能にする。
運動学習
神経可塑性
課題練習の
機会
有意義な
目標設定
課題への
能動的参加
代償の回避
一定
vs
多様
課題のおける
認知的必要性
物品の使用
全体
vs
分割
Component
vs
Part task
vs
Whole task
ブロック
vs
ランダム
内的フィードバック
vs
外的フィードバック
課題の複雑性
運動学習
神経生物学入門
教師なし学習
?あらかじめ出力すべき明確な学習基準がないも
のであり、課題を繰り返すことで記憶が作られ、
その記憶と実際の結果を結合していく相関学習
プロセスの事
?ワーキングメモリーやミラーニューロンなどが
関与する
神経生物学入門
2つの異なる学習様式
?教師あり学習(小脳)
目標となる運動があって、それと同じ運動を行おう
と意図する方法
?強化学習(基底核)
行った運動の結果がもたらす成功(報酬)をできる
だけ増やしていこうとする方法(行動の価値を学習
するもの)
運動学習の概要
「期待される報酬の量」と「実際に得ら
れた報酬の量」の誤差(予測誤差)に応じて
興奮し、シナプス伝達効率を向上させる。
「意図した運動」と「実際に行った運動
結果」の誤差を検出し、長期抑圧に基づ
いてその誤差を減少させる「誤差学習」
脳卒中後の運動機能回復レビュー
強化学習
●歩行能力改善に向けた研究●
褒めた群と褒めなかった群の比較では、褒めた群の方が
歩行速度が有意に増加した。
※褒めた群:歩行情報をフィードバックし、その後に褒める。
褒めなかった群:歩行情報をフィードバックせず、かつ、褒めない。
Dobkin BH , et al 2010
強化学習
ヒトの場合、褒めること(+結果の知識を与えること)で
報酬が得られる。
脳卒中後の運動機能回復レビュー
強化学習
患者に応じて、適切な課題の難易度に調整する必要がある。
成功確率が50%
程度がもっとも
反応が良い
苔
状
線
維
登
上
線
維
平行線維小
脳
皮
質
小
脳
核
小
脳
の
前
の
シ
ス
テ
ム
プルキンエ
細胞
興奮性小脳核
細胞
大脳皮質 脳幹?脊髄
筋肉
顆粒細胞
興奮性
抑制性
教師あり学習
苔
状
線
維
登
上
線
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平行線維小
脳
皮
質
小
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の
前
の
シ
ス
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プルキンエ
細胞
興奮性小脳核
細胞
大脳皮質 脳幹?脊髄
筋肉
顆粒細胞
運動
プログラム
興奮性
抑制性
教師あり学習
苔
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平行線維小
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皮
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プルキンエ
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興奮性小脳核
細胞
大脳皮質 脳幹?脊髄
筋肉
顆粒細胞
運動
プログラム
運動
プログラム
興奮性
抑制性
教師あり学習
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プルキンエ
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興奮性小脳核
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大脳皮質 脳幹?脊髄
筋肉
顆粒細胞
運動
プログラム
運動
プログラム
興奮性
抑制性
実
際
の
運
動
感
覚
情
報
教師あり学習
苔
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平行線維小
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小
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の
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プルキンエ
細胞
興奮性小脳核
細胞
大脳皮質 脳幹?脊髄
筋肉
顆粒細胞
運動
プログラム
運動
プログラム
興奮性
抑制性
実
際
の
運
動
感
覚
情
報
教師あり学習
運動学習理論に基づくリハビリテーションの実践
KR:結果の知識
KP:パフォーマンスの知識
まとめ
?運動学習とはパフォーマンスの永続的な変化
である。
?運動学習を促すためには、適切な課題選択と
運動の企画が必要である。
?声かけやフィードバック情報の与え方によっ
て運動学習を促すことができる。

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运动学习-基底核と小脳の関わり-

Editor's Notes

  1. ①大脳皮質から運動の指令がくると苔上(たいじょう)線維を通じて小脳核に入り、小脳核の細胞を興奮させる。 ②伝達効率を上げるように作用して、その運動が起こりやすいようにする。 ③同時に大脳皮質からの情報は平行線維を通じてプルキンエ細胞に情報を送る。この情報は大脳皮質で作られた運動プログラム。 ④運動が起こると筋?骨格系からの入力情報が入り、その情報は登上線維を通じてプルキンエ細胞に入る。 ⑤プルキンエ細胞で大脳皮質で作られた運動プログラムと筋骨格系からの感覚情報(実際の運動)の誤差を算出して、誤差分だけ小脳核の活動を抑制する。 ⑥活動しすぎている神経線維を抑制し、伝達効率を下げることで、誤差を修正する。 ⑦加えて、その情報を視床を介して大脳皮質に送り、プログラムの修正を行う。
  2. ①大脳皮質から運動の指令がくると苔上(たいじょう)線維を通じて小脳核に入り、小脳核の細胞を興奮させる。 ②伝達効率を上げるように作用して、その運動が起こりやすいようにする。 ③同時に大脳皮質からの情報は平行線維を通じてプルキンエ細胞に情報を送る。この情報は大脳皮質で作られた運動プログラム。 ④運動が起こると筋?骨格系からの入力情報が入り、その情報は登上線維を通じてプルキンエ細胞に入る。 ⑤プルキンエ細胞で大脳皮質で作られた運動プログラムと筋骨格系からの感覚情報(実際の運動)の誤差を算出して、誤差分だけ小脳核の活動を抑制する。 ⑥活動しすぎている神経線維を抑制し、伝達効率を下げることで、誤差を修正する。 ⑦加えて、その情報を視床を介して大脳皮質に送り、プログラムの修正を行う。
  3. ①大脳皮質から運動の指令がくると苔上(たいじょう)線維を通じて小脳核に入り、小脳核の細胞を興奮させる。 ②伝達効率を上げるように作用して、その運動が起こりやすいようにする。 ③同時に大脳皮質からの情報は平行線維を通じてプルキンエ細胞に情報を送る。この情報は大脳皮質で作られた運動プログラム。 ④運動が起こると筋?骨格系からの入力情報が入り、その情報は登上線維を通じてプルキンエ細胞に入る。 ⑤プルキンエ細胞で大脳皮質で作られた運動プログラムと筋骨格系からの感覚情報(実際の運動)の誤差を算出して、誤差分だけ小脳核の活動を抑制する。 ⑥活動しすぎている神経線維を抑制し、伝達効率を下げることで、誤差を修正する。 ⑦加えて、その情報を視床を介して大脳皮質に送り、プログラムの修正を行う。
  4. ①大脳皮質から運動の指令がくると苔上(たいじょう)線維を通じて小脳核に入り、小脳核の細胞を興奮させる。 ②伝達効率を上げるように作用して、その運動が起こりやすいようにする。 ③同時に大脳皮質からの情報は平行線維を通じてプルキンエ細胞に情報を送る。この情報は大脳皮質で作られた運動プログラム。 ④運動が起こると筋?骨格系からの入力情報が入り、その情報は登上線維を通じてプルキンエ細胞に入る。 ⑤プルキンエ細胞で大脳皮質で作られた運動プログラムと筋骨格系からの感覚情報(実際の運動)の誤差を算出して、誤差分だけ小脳核の活動を抑制する。 ⑥活動しすぎている神経線維を抑制し、伝達効率を下げることで、誤差を修正する。 ⑦加えて、その情報を視床を介して大脳皮質に送り、プログラムの修正を行う。
  5. ①大脳皮質から運動の指令がくると苔上(たいじょう)線維を通じて小脳核に入り、小脳核の細胞を興奮させる。 ②伝達効率を上げるように作用して、その運動が起こりやすいようにする。 ③同時に大脳皮質からの情報は平行線維を通じてプルキンエ細胞に情報を送る。この情報は大脳皮質で作られた運動プログラム。 ④運動が起こると筋?骨格系からの入力情報が入り、その情報は登上線維を通じてプルキンエ細胞に入る。 ⑤プルキンエ細胞で大脳皮質で作られた運動プログラムと筋骨格系からの感覚情報(実際の運動)の誤差を算出して、誤差分だけ小脳核の活動を抑制する。 ⑥活動しすぎている神経線維を抑制し、伝達効率を下げることで、誤差を修正する。 ⑦加えて、その情報を視床を介して大脳皮質に送り、プログラムの修正を行う。